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スイートフェンネル Foeniculum
vulgare
スイートフェンネルは、鳥の羽のようなしなやかな葉をもち、初夏に傘のように広がって咲く黄色い小さな花をつけます。セリ科の草本で、地中海沿岸が主産地です。1.5m程度にまで育成し、黄色い花を咲かせ、花後には楕円形の米粒ぐらいの大きさの果実（種子）を実らせます。エッセンシャルオイルは、果実をすり潰した後に水蒸気蒸留にかけて抽出されます。
スイートフェンネルは古代エジプトでは、すでに栽培が行われていたといいます。ローマ人にはとりわけ珍重されていました。詩人のワーズワースによれば「古代ローマの剣闘士は、荒々しい喧嘩好きが集まっており、彼らはフェンネルの効果を期待して食事にそれを混ぜていた。そして勝者は、フェンネルの花冠をつけていた」と言います。
古代ギリシャでは、「痩せる」という意味のギリシャ語に由来して「マラスロン」と呼ばれ、ダイエットに効果があるハーブとして用いられました。中でも薬効にすぐれる種子は、利尿作用と発汗作用があり、肥満の原因になる皮下脂肪中の老廃物を排出して、体の中をすっきりさせます。食欲を抑える働きもあり、古代ローマの女性たちはダイエットの特効薬として愛用したそうです。
このようにローマ時代には戦士が種を胃腸薬として、女性は肥満防止に葉や茎を使用していたのです。また、フェンネルの名前は、ラテン語で干草を意味する言葉に由来します。フェンネルのハーブは、中世ヨーロッパでは魔女のまじないや悪霊を追い払う力があると考えられて、家の扉に吊るされていました。
スイートフェンネルのエッセンシャルオイルは、スパイシーでありながら、ほのかにフローラルなトーンを含んでいます。主に消化器官を優しくサポートしてくれるエッセンシャルオイルと言われており、消化不良や便秘、腸内ガスの滞留、お酒の飲みすぎなどに際しては、キャリアオイルに低濃度で希釈して腹部のマッサージに使用されます。精神面に対しては、緊張をほぐしてリラックスさせる働きがあるため、特にストレスや緊張から消化が不調になっているときには、心身両面から力強い助けになってくれます。二日酔いをした際の芳香浴もおすすめです。しなやかで美しい足を維持したいと願う女性にも、スイートフェンネルのエッセンシャルオイルはマッサージに使用されています。スイートフェンネルの香りには、食欲を減退させる力もあると言われています。
フェンネルは消化を促進するハーブティーとしても古くから利用されている植物です。ローマ時代の兵は行軍中にフェンネルの種子を噛みながら歩いたと言われていますが、これはフェンネルの香りに食欲を減退させる働きがあることが経験的に知られていたからだと考えられています。
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| 科名 |
セリ科 |
| 主産地 |
フランス 地中海沿岸 |
| 抽出方法 |
水蒸気蒸留法 |
| 抽出部位 |
針葉部 |
| ノート |
トップ〜ミドル |
| 主要成分 |
アネトール |
| 作用 |
消化器系機能調整 鎮痙 利尿 内分泌系（ホルモン調整） |
| 適応 |
胃腸の不調 疝痛 便秘 むくみ 水分滞留 |
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