■条件付トクホ
トクホの審査は、医薬品なみに厳しいことをご存知ですか?どの成分が、どのようなメカニズムで効くのか、人を通じた多くの試験を繰り返す必要があります。それだけに、「トクホ」の商品は信頼が厚いのですが・・・。
しかし、抗酸化食品やイチョウ葉エキス、プロポリスなど、メカニズムが確立していなくても、科学的に効果が確認されている健康食品もあります。このような食品のために、厚生労働省は2004年6月、「条件付トクホ」の検討を始めました。そして12月、「特定保健用食品」ほどの科学的な根拠を満たしていなくても、一定の効果がある食品に「条件付き特定保健用食品」という新表示を認めることを決め、2005年2月より施行されました。
現行制度は審査基準が厳しいため、基準を満たさないあいまいな表示の健康食品が増加。厚労省が消費者への適切な情報提供を検討していました。今回の改正作業で、条件付き特定保健用食品が新設されるほか、栄養機能食品は何が栄養素かを表示することにし「ダイエット食品」など関係のない表示を禁じられます。
条件付トクホの表示例
「○○を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、△△に適している可能性がある食品です。」
■特定保健用食品(規格基準型)
特定保健用食品のうち、これまでの許可件数が多く科学的根拠が蓄積したもののうち、薬事・食品衛生審議会での個別審査を行わなくても許可できるものについては、新たに規格基準を作成し、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室において、規格基準に適合しているかどうかの審査のみを行い、許可等手続きの迅速化を図ることとして、2005年2月に施行されました。この規格基準を満たすものとして許可等を受けたものを特定保健用食品(規格基準型)といいます。以下の基準をクリアするトクホに関して、現在基準の作成が行われています。
[1] 許可件数が100件を超えている保健の用途に係る関与成分であること。
[2] [1]を満たす関与成分で、最初の許可等から6年以上経過している(その6年間に健康被害が出ていないもの)。
[3] 複数の企業が当該保健の用途を持つ当該関与成分について許可等を取得している。
2005年7月に、「お腹の調子を整える」等の表示をする下記の9成分について、規格基準が設定されました。
(難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖(1)、フラクトオリゴ糖(2)、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖(1)、ガラクトオリゴ糖(2)、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖))
2005年12月に、規格基準型のトクホの第一号が誕生しました。
■特定保健用食品(疾病リスク低減表示)容認
特定保健用食品において、「疾病リスクの低減に資する旨の表示」が認められることになりました。許可される表示の内容は、、関与成分の摂取による疾病リスクの低減が医学的・栄養学的に認められ確立されているもののみとされています。
現在の科学的知見で、疾病リスクの低減が医学的・栄養学的に広く認められ確立されていると考えられるものとして、「若い女性のカルシウム摂取と将来の骨粗鬆症になるリスクの関係」と「女性の葉酸摂取と神経閉鎖障害を持つ子どもが生まれるリスクの関係」の2つが挙げられています。
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