ナツメグ Myristica
fragrans Houtt
ナツメグは、大きなものは樹高20メートル程度にまで生育する熱帯常緑樹で、植樹後実をつけるまで8年かかります。実をつけだすと、毎年1500〜2000個もの実がなります。その後樹齢60年くらいまでが実をつける最盛期です。
インドネシアのモルッカ諸島が原産とされていますが、現在では西インド諸島にも生育しています。ナツメグの実は古くから香辛料として使用されてきました。エッセンシャルオイルは実の核(仁)を蒸留して抽出されます。
ナツメグのエッセンシャルオイルは、スパイシーで甘くスッキリとした香りがします。心身両面を温めてくれるエッセンシャルオイルで、この香りを嗅ぐとぬくもりを感じて活力を得ることができます。寒い冬には身体を温めると同時に抵抗力を高めることからアロマバスでの使用もおすすめです。但し、肌に対して刺激がややあるため、3滴程度の使用に留め、よくかき混ぜてからお湯に浸かってください。クラリーセージと同じように女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを示すという説もあります。
ナツメグは、古代エジプト人がミイラの防腐処理に利用していた植物の1つです。イタリアでは、クローブ・バッド、ジュニパーなど他の植物と一緒にナツメグの実を燃やして、薫香として使用していました。
近代アロマテラピーの礎を作ったジャン・バルネは、ナツメグをクローブ・バッドとローズマリーと組み合わせるとリウマチ痛の軽減に役立つと述べています。
ナツメグは料理に良く使われることで知られています。鎮痛剤、防腐剤、消毒剤、抗菌剤としても使われます。気分を刺激し、疲れを取り除くともいわれています。マッサージでは関節に良く働くと知られています。パンやお菓子、ソーセージ、ソースなど多くの料理の香り付けとして使われています。
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