ジンジャー Zingiber
officinale
ジンジャーは他のスパイスに使われる植物同様、アジア原産の多年生ハーブです。アシのような細長い茎をまっすぐ伸ばし、白または黄色の小さな花を咲かせます。インド、中国で広く生育していましたが、中世に「スパイスの道」を通ってヨーロッパに伝わり、大航海時代にスペイン人により南米にも移植されました。現在では、西インド諸島やアフリカなどの熱帯地域で盛んに栽培されています。
ジンジャーは、ぴりっとしたスパイシーでウッディな芳香が特徴のエッセンシャルオイルで、心身ともに温かみを与えてくれます。エッセンシャルオイルは、蒸留直後はやや緑がかった薄い黄色をしていますが、時間が経つにしたがって濃くなり、美しい琥珀色に変化していきます。
ジンジャーの芳香には、感覚を鋭くし、集中力と記憶力を高める効果があるとされています。このため、勉強部屋や仕事場の香りとして有効に使うことができます。特にローズマリーとブレンドすると相乗効果が期待できる上、香りもより良くなります。やる気が衰えかけている時や、気力を充実させたい時にはルームフレグランスとしてお使いください。心的な活力を蘇らせてくれます。
風邪で喉が痛いときや鼻水がでる際には、ジンジャーの芳香浴もおすすめです。ここでもジンジャーの加温特性が助けになってくれます。筋肉痛や関節炎に対してはマッサージで用いられますが、敏感肌に対しては刺激になることがあるため、低濃度で注意して使う必要があります。二日酔いや乗り物酔い、胸がむかつくときには、ハンカチやティッシュに落として香ってください。風邪のの時の喉の痛みなど諸症状にも良く働きます。熱が高いときなど、汗を出すことを促進して、体温を下げる役目を果たし、発熱時の不快な諸症状を和らげてくれます。
ジンジャーはインポテンツの治療に使われていることが知られています。催淫特性があると考えられており、現在でも男性用化粧水の原料に利用されていますが、これも催淫特性と関係があると思われます。その他、食品香料の原料としても使われています。
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