ティートリー Melaleuca
alternifolia
ティートリーは、、樹高7メートル程度にまで生育するオーストラリアのニューサウスウェールズ原産の高木です。湖沼の岸でよく生育する樹木で、細長い羽毛のような葉を持ち、黄色または紫色の花を咲かせます。強い香りを放つ植物で、風にのせてその香りを遠くまで漂わせます。同じフトモモ科のユーカリと同様、非常に生命力が強い植物で、多少枝を切り落としても、元気に生長を続けます。100kgの葉、枝から約1kgのエッセンシャルオイルが採れます。ユーカリは19世紀後半にヨーロッパに移植され、栽培されていますが、ティートリーは現在でもオーストラリア以外の地域への移植は成功していません。当然、エッセンシャルオイル(精油)は全てオーストラリア産のものとなっています。
オーストラリアの原住民であるアボリジニ人たちは、ティートリーの優れた薬効を古くから見出していました。同じくオーストラリア原産のユーカリと同様に、感染症や創傷、吹き出物など様々な疾患の治療に「万能薬」として使用してきたのです。ティートリーは20世紀前半にヨーロッパに導入され、この植物がもつすばらしい殺菌消毒特性がたちまち注目を集めました。第二次世界大戦中には、負傷した兵士の治療に利用されました。
ティートリーには免疫機構刺激効果があることから、これの人気ははやくから高まつていましたが、これがアロマテラピーに加わったのは新しいことです。オーストラリア、アメリカ合衆国、フランスで、ティートリー油の抗感染力、抗真菌力につき、とくにさまざまな皮膚症状をなおすうえでのそれらの特性について、積極的な研究が進められました。最近ではエイズ治療の研究においても注目されています。
ティートリーのエッセンシャルオイルは、清潔感あふれるクールな香りがします。アロマテラピーにおいては、ラベンダーと並んで最も良く使われる極めて重要なエッセンシャルオイルです。数あるエッセンシャルオイルの中でも、とりわけ優れた殺菌、消毒作用を持っています。
風邪のはやる時期には、アロマランプで香らせる以外にも、アロマバスでの使用(浴槽に5滴程度落として良くかき混ぜた後、お湯に浸かってください。)、キャリアオイルを使ったマッサージなどもおすすめです。また、霧吹きに入れた水50ml(この場合は水道水でOKです)の中に、10〜20滴ほどティートリーを落として、良く振ってから室内にスプレーするのも大変効果的な使い方です。お部屋の空気を浄化すると同時に、いやな匂いを取り除いてくれます。ベルガモットやレモンなどを少しブレンドして使用すると、更に良い効果と心地よい香りが得られます。
また、気分を冷静にして、頭をはっきりさせてくれるエッセンシャルオイルで、特に神経質になっている場合に役立ってくれます。イライラした気分に悩まされているときには、入浴時に使ってみてください。また、精神的ショックを受けた場合にも、気分を落ち着かせて立ち直るのを助けてくれます。
また、殺菌、消毒作用のほか、消臭効果(デオドラント)にも優れています。タバコの臭いを消したい場合には、レモングラスとブレンドして少し強めに香らせると驚くほど効果があります。体臭が気になる場合も、やはりティートリーは優れたデオドラント効果で役立ってくれます。アロマバス、足浴のほか、1%程度に精製水で希釈したものを身体にスプレーしてお使いください。
エッセンシャルオイル(精油)は原液のまま直接肌につけてはいけませんが、例外的にラベンダーとティートリーのみ、少量を局部的にであれば、原液のまま用いることができます。(但し事前に必ずパッチテストを行うことが必要です)。
最近ではエイズ治療の研究においても注目されています。
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