アトラスシダーウッド Cedrus
atlantica
アトラスシダーウッドは、アルジェリアとモロッコにまたがるアトラス山脈が原産の樹木です。短い無数の針葉をつけるマツ科の常緑樹で、標高1500メートルの山岳地帯に生育し、樹高は30m以上に達します。「力(ちから)の木」という別名もあります。
アトラスシダーウッドは古代の多くの文明で、医薬品、化粧品、香料として使用されてきた植物です。古代エジプト人は、ミイラの防腐処理に利用していました。木材に高い割合で含まれるエッセンシャルオイルには防虫作用があり、シロアリなどの害虫を寄せ付けなくする効果があるため、家屋の建材や収納箱の材料としても、古くから重宝されてきました。伝統的なチベット医学では薬用の植物として扱われていました、そして薫香にも利用されてきました。
アトラスシダーウッドのエッセンシャルオイルは、深くまったりとした甘みの中にも、爽やかなスパイシーさを僅かに含んでいるのが特徴です。近縁種には、バージニアシダーウッド(シダーレッド、Juniperus
verginiana)他、いくつかの種類がありますが、通常単に「シダーウッド」または「シダー」という場合は、このアトラスシダーウッドを指します。
この2つは植物種的にかけ離れており、香りも働きも異なります。
アトラスシダーウッドは、寺院の薫香として利用されてきた植物で、深く甘みのある香りは気分をゆったりと鎮静させてくれます。深く眠りたいときに役立つエッセンシャルオイル(精油)の1つです。身体に対しては、咳や呼吸器系、泌尿器系の不調によく使われます。穏やかな収斂作用もあり、脂性肌のスキンケアや、フケ、頭皮のかゆみなどに対しても使用されます。
男性的な香りのするアトラスシダーウッドのエッセンシャルオイルは、アフターシェーブローションなど、主に男性化粧品の原料としても使用されています。
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