ユーカリ・ラディアータ Eucalyptus
radiata
コアラの食べ物として良く知られるユーカリの木は、非常に背の高い常緑樹で、100メートルを越す高さまで生育するものも珍しくありません。濃い緑色をした丈夫な葉をつけます。ユーカリは、非常に生命力が強い上に成長が早い木です。多量の水分を必要とするため、湿地帯もユーカリの森の成長とともに干上がってしまうほどです。また、根を通じて土の中に有害物質を浸透させ、周囲の植物の生育を阻害しながら、繁殖地を広げます。
ユーカリは、ティートリーと同様に、オーストラリアのアボリジニ人に古くから「万能薬」として利用されてきた植物です。アボリジニ達は、重い傷を負った際には、ユーカリの葉で作った包帯を使い治療した他、チフスやマラリアなどの感染症に対してもユーカリを活用していました。その後、19世紀後半にヨーロッパに導入され、地中海沿岸地方で栽培されるようになりました。
ユーカリのエッセンシャルオイルは、清潔感があり、クールで染み透るような香りが特徴です。同じフトモモ科のティートリーにも似ていますが、ユーカリのほうがよりクリアでシャープな香りがします。シソ科のローズマリーにも良く似ています。朝の目覚めの悪いときにもお勧めです。
ユーカリには約500ほどの種類がありますが、アロマテラピーで用いられるのはそのうち数種類です。最も一般的なのはユーカリと言われているユーカリ・グロブルス(Eucalyptus
globulus)ですが、このユーカリ・ラディアータ(Eucalyptus radiata)もレモンユーカリ(Eucalyptus
citriodora)と並んで良く使用されます。
香りはユーカリ(グロブルス)に非常に近く、嗅ぎ分けるのが難しいくらいですが、ユーカリ・ラディアータは鼻の奥に染み透るクリアなトーンがユーカリよりも若干弱く、ややマイルドになっています。
殺菌作用や呼吸器系等に対する働きにおいて、ユーカリと同様の優れた特性を持ちますが、ユーカリ・ラディアータの最大の利点は、肌や粘膜に対する刺激が弱い点です。このため、マッサージやアロマバスなどの用途にユーカリを使用する場合には、ユーカリ・ラディアータが最適と言えます。特に肌が弱く、ユーカリ(Eucalyptus
globulus)が刺激になる方には、ユーカリ・ラディアータがお奨めです。風邪やインフルエンザの流行る季節、アロマバスやマッサージに是非ユーカリ・ラジアータを使ってみてください。
ラディアータは意識をはっきりさせて集中力を高める働きがあります。風邪が大敵の受験生や、心身共に疲れているのに少し無理をしなければいけないときには、勉強部屋や仕事場の香りとしてお使いください。
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