パイン Pinus
sylverstris
パインは30m以上にまで生育するマツ科の常緑針葉樹です。イギリスが原産ですが、ヨーロッパ北部全域、アメリカ、カナダに広く見られます。赤茶色の樹皮で、二本一組の針葉を無数に持ち、茶色の松ぼっくりをつけます。針葉から抽出されたエッセンシャルオイルは、無色または薄い黄色になります。パインのエッセンシャルオイルは松の針葉が醸し出すフレッシュで心地よい香りをしています。この香りを深く呼吸すると、森林浴の清々しさを感じて気分をリフレッシュすることができます。
パインは心地よい芳香を持つ上、優れた殺菌消毒作用もあるため、アロマランプで香らせれば気分を清々しくリフレッシュすると同時に、お部屋の空気を浄化してくれます。パインの殺菌消毒特性は、特に気管系に対して作用すると言われています。喉の痛みや咳、痰、鼻づまりなどの場合は、芳香浴や吸入で使うとよいでしょう。
アロマバスもパインの効果的な使用法のひとつです。気管系に対する働きが期待できるほか、パインには血流を刺激して身体を暖める特性があるため、身体が冷えて辛いときや、筋肉痛や肩こりなどの場合は助けになってくれます。また精神面でもパインの心地よい香りを感じてお湯に浸かれば、気分を元気にリフレッシュすることができます。刺激を感じる場合は、少量のキャリアオイルや蜂蜜、ミルク、塩などに一旦パインを溶かしてから浴槽に入れるとよりマイルドになります。筋肉痛の場合のマッサージにも使うことができますが、やはり肌に対して刺激になる場合があるため、濃度に注意して使ってください。
パインと呼ばれる精油にはいくつかの種類がありますが、必ず学名が「Pinus
sylvestris」であることを確かめてください。他の学名のパインの中には安全にアロマテラピーで使用できないものもあるため、注意が必要です。木部から抽出されるエッセンシャルオイルもありますが、アロマテラピーでの使用には適しません。針葉から抽出されたエッセンシャルオイルをそれ以外の部位から抽出されたものと区別するため、特に「パイン・ニードル」と呼ぶ場合があります。
樹木系のほとんどのエッセンシャルオイルに、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドを分解する極めて高い作用があることが最近の研究で明らかになっています。パインを含むマツ科のエッセンシャルオイルやヒノキ科の精油は並んで高い効果を示したとのことです。エッセンシャルオイルを建材に混ぜて、シックハウスを予防する研究が始められています。
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