ベンゾイン Styrax
benzoin
ベンゾインは20mほどに成長する熱帯の樹木で、ナツメグのような硬い殻を持つ果実を実らせます。ジャワ、スマトラ、タイを中心とする東南アジア地域に生育します。樹皮を傷つけてにじみだした樹を固めた灰褐色の樹脂がエッセンシャルオイルの原料となります。
ベンゾインのエッセンシャルオイルは、リッチで、ウォーム、多少ウッディー、クリーミーでバニラの香りを漂わせる甘い感じの香りです。。別名を「安息香」と言いますが、文字通り、息を安らかにする香として、この香を吸入することで、痰を取り去り、呼吸を楽にしてくれる薬として昔から用いられてきました。緊張やストレス、不安を和らげて、心に温もりと安らぎを与えてくれるエッセンシャルオイルです。眠気をもよおすことがあり、運転中の車内などには適しません。集中したいときには、使用しないでください。
このように ベンゾインの樹脂は、古くから去痰薬や痛み止め、防腐剤、香料、薫香など様々な用途に広く利用されてきました。古代エジプト時代には、既に殺菌消毒や香料として使用されていたようです。他の多くの古代文明でも化粧品として用いられると同時に、悪霊を追い払う目的で、宗教儀式の薫香に使われていました。
そして食品の表示部分に、安息香酸という名が書かれているのを、なんとなく覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、ベンゾインには防腐作用もあるため、安息香酸は、食品添加物として使われています。
スキンケアにも良く使われるエッセンシャルオイルで、特に乾燥でひび割れたり、あかぎれになった肌に対して用いられます。消炎消毒作用があり、昔から「肌をきれいに冴えさせ、つややかにしてくれる」とされ、お肌のさまざまなトラブルに役立ち、肌の弾力を取り戻し、小じわの予防に良いとして化粧品によ
く利用されてきました。
他にキャリアオイルを使ったマッサージの他、特に冬のハンドクリーム用の蜜蝋クリームの原料として大変おすすめです。呼吸器系に対する作用がある上、加温特性もあることから、風邪の季節に吸入で使うこともできます。
ベンゾインはベチバーに次いで粘性が高いエッセンシャルオイルのひとつで、オイルにやや粘り気があります。
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