メリッサ Melissa
officinalis
レモンに似た柑橘系の香りとフローラル調の香りをミックスしたようなデリケートな趣が特徴です。数あるエッセンシャルオイル(精油)の中でも最も高価なものの一つですが、心身両面に対して多岐に渡る極めて優れた働きを持つため、アロマテラピーでは非常に有効に使うことができます。レモン風のフレッシュな香りを含むため、別名「レモンバーム」といわれます。
メリッサには気分を鎮静する優れた作用があると同時に、心を明るく高揚させてくれる働きもあります。強い精神的ショックやストレス、パニック、混乱などの場合に心強い支えになってくれます。
メリッサのハーブは古くから心臓に対して用いられてきた薬草でした。メリッサのエッセンシャルオイル(精油)も循環器系に対して働き、心臓の動悸、高血圧、心的パニックなどの場合に力強くサポートしてくれます。吸入、芳香浴のほかアロマバスやキャリアオイルでのマッサージで有効に用いることができます。非常に高価ですが、少量でもしっかりと働いてくれるため、アロマバスの場合は3滴以下、マッサージの場合は0.5〜1%以下の低濃度用いてください。メリッサは呼吸器系、消化器系に対する作用もあり、同じように吸入、芳香浴、アロマバス、マッサージで使うことができます。また、女性のリズムを整える作用にも優れており、女性特有の不規則さに対しては、アロマバスや足浴のほか温湿布での使用もおすすめです。またメリッサには鎮痛作用もあるため、ヨーロッパの病院では鎮痛剤の使用量を減らすために、ローズマリーなどとブレンドして使用しているところもあります。
メリッサの植物自体は、ヨーロッパの至るところで見かけられるものですが、植物の中の精油分の含有量が極めて少ないことから、エッセンシャルオイル(精油)の抽出に膨大な量の原料が必要となり、100%の真正メリッサオイルは大変高価なものになるのです。安価に売られている「100%のメリッサオイル」もありますが、まがい物の可能性がかなり高いので注意が必要です。
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