免疫系とは、私たちが外界と接するインターフェース(接触面)のことです。つまり免疫系が健康で正常に働いていれば、細菌がついても感染しないし、アレルゲンに接触してもアレルギー反応が起こらないし、発ガン物質を摂取してもガンにならないのです。健全な免疫系は健康維持の要(かなめ)です。
免疫不全という言葉を聞いたことがあると思いますが、大きく2つに分けられます。一つはその活動低下です。免疫系の活動が低下すると、感染症やガンになりやすくなります。もう一つは活動昂進です。免疫系が働きすぎるとアレルギーや自己免疫疾患になりやすくなります。自己免疫とは免疫系が自分のからだの組織を攻撃してしまう病変のことです。
免疫系の基本的な仕事は、自己と非自己を見分け、異型細胞や破損細胞を含む、からだにあってはならない異物を認識し、それを排除する働きです。病原菌やそれに侵された細胞を見つけ出して殺すこと、がん細胞を見つけ出してころすことなどの働きをしています。
免疫系を守るためには次のことに注意しましょう。
■感染症を長引かせないようにしましょう
免疫系がもっとも消耗するひとつは、長引く感染症です。原因不明の発熱、リンパ腺の痛みや腫れなどを放置しないようにしましょう。それらは感染症が隠れていることの徴候です。
歯ぐきや歯に潜んでいる感染症に気をつけましょう。
性行為による感染症にも気をつけましょう。
■抗生物質の使用に注意しましょう
免疫系は外部との戦いによって、たくさんの経験によって、同じ病原菌に対して強く対抗するようになります。つまり、感染症の最初の徴候ですぐに抗生物質に手を出すと、免疫系に試練の場をあたえてたくましく成長させる機会を逃すことになるのです。
もちろん、免疫系では細菌感染が阻止できないときなど、どうしても必要なときにだけ使うようにしましょう。また抗生物質を頻繁に使うことによって、さらに強い毒性をもった細菌が繁殖させてしまう危険性があります。つまり頻繁に使うことによって免疫力を弱めてしまうという事実があります。
■ステロイドを使わないようにしましょう
ステロイドとは免疫抑制剤のことです。アレルギー、自己免疫疾患、炎症症状の治療によく使われます。ステロイドを使うと、アレルギーや炎症を手品のように消してしまいます。ステロイドは免疫機能を直接的に抑制します。もちろん、非常に重篤な場合に短期間だけ使うのは適切かもしれません。ただ軽度の場合に容易に使用するのは避けましょう。ステロイドは非常に毒性が強く、依存性も高いのです。また病気を治すのではなくて、それを抑えつけ、自然治癒力が働くチャンスを奪ってしまいます。
■抗酸化栄養補助食品を摂りましょう
ビタミン、ミネラル類などの錠剤、健康食品を積極的に摂りましょう。免疫機能を保護するのに役立ちます。
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免疫機能を高める食品やハーブを摂りましょう
免疫系を強化すると思われるすべての植物やキノコなどに多糖類が発見されています。多糖類は細菌の細胞壁の分子と似ていて、それが免疫反応を刺激することに関与しているのかもしれません。(免疫力を強化する食品はこちら)
抵抗力が落ちていると感じている人、風邪などをひきやすい人などは、積極的に摂ってみましょう。
■ いつもポジティブな気持ちで生活しましょう
悲しみやストレスなどの否定的な感情は免疫機能を阻害します。愛情のある生活は免疫機能を高めます。そのためにはどうすればいいのでしょうか。否定的な精神状態を断ち切ろうとしたり、それと闘うことはしません。闘うのではなく、肯定的な状態を作り出すことに、エネルギーを注ぎましょう。自然に気持ちがほぐれ、否定的な感情が消滅していきます。